家を購入したいと考え始めたら、まず初めに必ずといっていいほど頭を悩ませるのが、「戸建て」と「マンション」どっちの方がお得かという問題。家は人生で一番大きな買い物ですし、今後の生活のベースにもなるので、家選びでは絶対に失敗したくですよね。そこで、実際に戸建てとマンションどちらも住んだことがある私が、ライフスタイルや購入条件を踏まえて、それぞれの維持費やメリットについてお伝えしていきたいと思います。
目次
戸建てとマンションを比較する10のポイント
まず、戸建てとマンションを比較する10のポイントを表にまとめました。それぞれのメリット/デメリットを一覧で比較できるようにしています。こちらを基に、下でそれぞれのポイントについて詳しく説明しているので、合わせて確認してみてください。
戸建て・マンション比較表
# | 項目 | 戸建て | マンション | ||
---|---|---|---|---|---|
1 | 購入費 | △ | 個別に建てるので比較的高い | ◯ | 集合住宅なので比較的安い |
2 | 維持費 | ◯ | 修繕に必要な分だけ払えば良い | △ | 管理費・修繕積立費などの共益費がかかる |
3 | 資産価値 | ◯ | 土地分の価値は下がりにくい | ◯ | 駅近であれば価値は下がりにくい |
4 | 間取り | ◯ | 部屋は広めだが階段の上り下りが必要 | ◯ | 部屋は狭めだがワンフロアで生活できる |
5 | メンテナンス | △ | 部屋が広いため掃除や修繕に労力がかかる。外壁は業者に依頼して修繕 | ◎ | 部屋が狭いため掃除や修繕が手軽にできる。外壁は管理会社が修繕 |
6 | 駐車場 | ◎ | 費用がかからずいつでも自由に使える | △ | 費用がかかり立体駐車場だと出し入れに時間がかかる |
7 | 騒音 | ◎ | 隣人の物音はほとんど聞こえない | △ | 上下階や隣部屋からの物音が聞こえる |
8 | セキュリティ | △ | 自分で対策をする必要がある | ◎ | オートロックや監視カメラが設置されている |
9 | ゴミ出し | △ | 回収日が決まっており当日の朝に出す必要がある | ◎ | 専用の集積所があるのでいつでも出すことができる |
10 | ペット | ◎ | 基本的には自由に飼うことができる | △ | マンションで決められたルールに従って飼う必要がある |
1. 購入費
まず初めに、やはり気になるのは物件の購入費です。立地や間取りにもよりますが、同じ条件とした場合の特徴についてお伝えします。
戸建ては建売だとしても一軒一軒間取りや仕様が異なるケースが多くコストもかかるので、その分販売価格も高くなりがちです。
その点マンションは、集合住宅なのである程度同じ間取りや仕様で建てるのでコスト削減ができ、販売価格は戸建てよりも比較的リーズナブルになる傾向にあります。
2. 維持費
費用面で特に気になるのが維持費。購入費のローンに加え、ランニングコストがどのくらいかかるかは支払い計画をする上でとても重要になります。
戸建ての場合は、自宅における修繕に必要な分だけに費用をかければよいですが、マンションの場合は、それ以外にも共益費となる管理費や修繕積立費が毎月かかるので、その分割高になる傾向があります。
例えば、家を35年ローンで購入した場合、戸建てだと月の維持費が約1.5万円で年間約18万円とするとローン完済までに630万円かかります。一方で、マンションだと月の維持費が3万円で年間約36万円とするとローン完済までに1,260万円かかる計算となります。
これはあくまで概算となりますが、維持費という面では戸建ての方がマンションよりも比較的リーズナブルな傾向になると言えるでしょう。
3. 資産価値
資産価値については、物件によっても異なりますが、きちん条件を守れば戸建てとマンションどちらも資産としての価値を維持することができます。
戸建ては、基本的には建物の価値は下がりますが、土地の価値はほとんど変わらない、または新興住宅街などのエリアでは上がることもあります。土地があれば売却もできますし、また建物の増改築や建て直しをすることで長く住み続けることもできます。
一方のマンションでは、駅近の物件を購入することが資産価値を保持するための必須条件です。理想は5分以内、遠くとも7分以内の物件を購入するようにしましょう。あとは、なるべく乗降客数の多い乗換駅などの便利な駅であればあるほど需要が高まるため、自ずと資産価値が上がります。最近ではリノベーションブームもあり、築年数が古い物件でもきちんとリフォームをすれば資産価値を維持することができます。
エリアによって、戸建てが人気のエリアもあればマンションが人気のエリアもあるので、自分が検討しているエリアではどちらの方がより需要が多いかを調べた上で物件選びするのがよいでしょう。
4. 間取り
間取りは日々の生活のしやすさに直結するので、家を選ぶ上でとても重要なポイントです。戸建てとマンションでそれぞれメリット・デメリットがあります。
戸建ては、ある程度広さがある土地に建てていれば、部屋数も多く設定することができますし、ひとつひとつのサイズも広くとることができます。ただ、基本的には2フロア以上の物件となるため、生活動線として階段の上り下りが必ずといっていいほど発生します。
マンションは、集合住宅ということもあり部屋数は戸建てに比べ少なく、ひとつひとつのサイズも小さめになる傾向があります。ただ、メゾネットタイプでなければ基本的にはワンフロアの物件となるため、家の中では階段の上り下りなく過ごすことができます。
5. メンテナンス
家に住んでると様々なところに汚れや故障が出てきます。メンテナンスのしやすさも家を購入する上で重要なポイントだと言えるでしょう。
前述の通り、戸建ての方が部屋が多く広い傾向があるため、掃除や修繕に労力がかかります。外壁の修繕については、自費で業者に依頼して対応する必要があります。
一方マンションについては、ワンフロアで部屋数も多くなく広さもそこまでないため、手軽に掃除や修繕ができます。また外壁については、修繕積立費の中から賄われ管理会社の方で対応してもらうことができます。
6. 駐車場
現在車を所有している、またはこれから購入を検討している場合は、駐車場についても検討する必要があります。
戸建ての場合、購入した土地の敷地内に駐車場があれば、費用はもちろんかかりませんし、また自分の好きなタイミングで自由に使うことができます。
一方マンションの場合は、毎月の利用費がかかるのと、立体駐車場だと他の人が使っている場合は待たなくてはいけなかったり、車の出し入れにも時間がかかったりするため、戸建てほど自由に使うことができない点はあらかじめ想定しておいた方がよいでしょう。
7. 騒音
騒音問題については、家を購入するときに意外と確認が漏れがちなポイントです。
戸建てでは、隣の家との距離がある程度離れているため、隣人の生活音はほとんど聞こえません。また逆に、自宅の生活音についても、よほど大きな音を出さない限りは隣人に迷惑をかけることもないため、気を遣うことなくストレスフリーで過ごすことができます。
ただ、マンションではそうも言えません。集合住宅ということもあり、どんなに防音対策がなされていても、特に上下階からの物音は構造上どうしても聞こえてきてしまいます。また、隣人に迷惑をかけないためにも、生活音にはある程度配慮して過ごす必要があるでしょう。
8. セキュリティ
家族や自分が安心して生活できるように、セキュリティ対策についてもきちんと検討しておきたいところです。
戸建てでは、鍵やシャッター以外に標準装備でセキュリティ対策されていることは少ないため、別途セキュリティ会社と契約したり防犯設備を設置するなどして自分自身で家を守る必要があります。
一方マンションには、オートロックや監視カメラが設置されていたり、管理人が常時巡回していたりするので、特に自分自身で特別なセキュリティ対策をしなくても安心して生活することができると思います。
9. ゴミ出し
家に住んでいれば毎日必ず出るゴミ。家で快適に過ごすことを考えれば、ゴミ出しができるタイミングも重要です。
戸建てでは、区画ごとにごみ収集所がありそこにゴミ出しすることになります。ただ、ゴミの種類ごとに回収日が決まっていることがほとんどで、当日の朝に出す必要があるため多少不便だと感じることがあるでしょう。
一方マンションには、専用の集積所があるので基本てきには24時間365日いつでもゴミ出しすることができます。マメにゴミ出しをして家の中をスッキリさせたい人にとっては、マンションの方がメリットがあると言えます。
10. ペット
いまペットを飼っている場合は、ペットが入居できるどうかも視野に入れて家探しをする必要があります。
戸建ての場合は、自宅の敷地内で飼う分には基本的に自由なので好きに飼うことができます。ただし、近隣住民の方に迷惑がかからないよう最低限のマナーは守る必要があります。
マンションの場合だと、そのマンションのルールによってはペット自体飼うことができなかったり、飼うことができてもペットの種類や飼い方について制約があるケースがあります。マンションを選ぶ際は事前にそのあたりをきちんと調べておく必要があるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。戸建てとマンションのそれぞれのメリット/デメリットを比較できるように、10のポイントでまとめました。こちらを参考に、家の購入計画やライフスタイルを踏まえて、戸建てとマンションどちらが自分にとってマッチしているかを確認してみてください。